「積みへらす」ということがどういうことか
ぼくのミニマリストやエッセンシャル思考的な生き方の中心に自分を積み減らすという考え方があります。これまでも何度も出てきている言葉ですが詳しく書いてなかったので説明しようと思います。
ミニマリストやエッセンシャル思考がどういうものかわからないならこの記事を読んでください。
自分を積み減らす
まず、「自分を積み減らす」というこの言葉は有名なアーティスト岡本太郎さんの本『自分の中に毒を持て』で書かれていた言葉です。
人生は積み重ねだと誰でも思っているようだ。ぼくは逆に、積みへらすべきだと思う。財産も知識も、蓄えれば蓄えるほど、かえって人間は自在さを失ってしまう。過去の蓄積にこだわると、いつの間にか堆積物に埋もれて身動きができなくなる。
人生に挑み、本当に生きるには、瞬間瞬間に新しく生まれ変わって運命を開くひらくのだ。それには心身とも無一物、無条件でなければならない。捨てれば捨てるほど、いのちは分厚く、純粋にふくらんでくる。
ここで書かれているとおり、足していくということは本来の自分を埋めていくと言うことです。自分を積み減らすというのはいままで得た経験則を捨てていくということです。
足すと軸ができる
足している部分だけが積み重なり、軸ができ、そこに固執するようになる。物理的にもそうですよね。積み重ねようとするとその部分に視点を集めます。視界が一点だけに固まってしまうんです。そうしてるうちにその一点だけが世界のすべてだと思うようになる。けど、実際は自分が思うより自分は幅広いんです。
足していくとその足している部分だけが”自分”のように思えてしまいます。幅広い自分の多様性の中でそこだけが”自分”だと思うんです。でも、そうやって生きているととても辛く、そして自由じゃなくなっていきます。
自在さを保つために「自分だと思ってた部分」を一度手放すことが大事なんです。ですが手放すくらいの気持ちでは離れられない。だから捨てる勢いで行動する。それが新たな自分をつくるようになるんです。
積みへらすことで自分の純粋な部分に気づける
そして「捨てれば捨てるほど、いのちは分厚く、純粋にふくらんでくる。」と言ってるとおり、積みへらすほど自分の純粋な部分がわかってくるんです。そこがわかって、その純粋な部分に従って生きることでいのちが喜び、ふくらんでいくんです。胸がふくらむっていうのはそういうことです。
教育や多くの広告はまるで今の自分には何かが足りてないかのように言葉を放ってきます。「〇〇をできるようにしよう」とか「〇〇不足じゃありませんか?」みたいな言葉ばかりです。そんな言葉を聞いてるうちに「自分は不足している駄目な人間なんだ」っていう思い込みができます。
けど、そんなことはない。あなたはすでに必要な物はすべて持ってます。溢れんばかりにもってる。そこを大事にしてほしいんです。足していくばかりでは、自分の持っている物にすら気づけない。自分が思ってるよりあなたは持ってます。それに気づくためにはやっぱり自分を積み減らしていくしかない。
自分のキャラなんか定めずにどんどん打ち破っていけばいいんです。これもあれも全部自分です。認識している以上に自分は広い。だから減らしてみてください。積みへらしてください。
ほな、さいなら